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書いた記事数:35 最後に更新した日:2019/06/22

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虹水ブログ

人生はすてたものではない

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    去年は、わたくしにとって易学でいう「別離の年」を実感する年になってしまいました。

    老いてもなお、かくしゃくとして、わたくしを叱咤激励してくれた父の死。
    深い絆で結ばれ、互いに慈しみ支え合った愛する人の死。
    肉親の情愛にあふれ、わたくしを慕ってくれた甥の死。
    それぞれが静かに旅立ち、わたくしのもとを去ってしまいました。

    生きとし生けるものの宿命、この世の習いとはいえ、悲しみは深く堪え難いものがあります。
    それでも、遺された者は懸命に生きなければなりません。何と残酷なことでしょう。

    それぞれの遺影に合掌するとき、冥土での幸福を祈りながらも、生前の心ない仕打ちがつぎつぎと思い出され、後悔の涙が止まりません。
    詮無いこととは知りながらも、「ああしてあげれば良かった」、「あの言葉を取り消したい」と心から願うのです。
    カジマヤーユーエーに、自力でひな壇に上った父の確かな足取りがよみがえります。

    わたくしの取り留めのない話に、時には笑い、時にはうなずきながら飽きもせず聞き入ってくれた愛する人の表情の一つひとつがコマ送りのようにあらわれては消えていきます。

    予感にふるえながら異郷で暮らす甥の死を報せる受話器を取った手の感触が忘れられません。
    誰もが、それぞれの悲しみや苦しみを胸にかかえこんだまま生きています。その悲しみや苦しみをいやす手立てを手に入れるためにもがきます。
    それでも「人生はすてたものではない」という瞬間が必ずおとずれるはずです。
    わたくしは、それを信じて多忙な一日の終わりに遺影の前で合掌し、語りかけているのです。

    心から慈しみ、愛することができたことへの感謝の祈りを込めて。
     

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